今回おすすめしたい絵本は、ゴリラのパンやさん。
外見的な美しさは個々に先天的な問題が多いですが、優しさや誠実さは後天的なものなので、その重要性が子供にも伝わることはとても大切なことだと感じるので選びました。
あらすじ内容や対象年齢、読み聞かせについてご紹介していきます。
ゴリラのパンやさん あらすじ・内容
大きなゴリラが丘の上でパン屋さんを始めると、数匹のめんどりがパンを買いにやってきました。
「へーい、いらっしゃい」とゴリラがあわてて大声で言うと、めんどり達は驚いてパンを買わずに逃げ出してしまいました。
自分の声が大きくてお客さんを驚かせてしまったのですが、ゴリラはそのことに気付かずに、店番をしていなかったのでお客さんが帰ってしまったのだと思ってしまいます。
そのため今度は店番をしていると、1匹のひつじがパンを買いに訪れました。
「いらっしゃい」と今度も大きな声で言ったので、ひつじも驚いて逃げ出してしまいます。
ところが今度は愛想が足りなかったのだと勘違いして、次に来たたぬきに口を開けた満面の笑顔で「いらっしゃい」と大きな声で言いました。
するとたぬきはゴリラの白い歯を見て、余計に驚いて逃げ出してしまいます。
結局はパンがまったく売れなくて、売れ残ったパンをゴリラは自分で食べるのですが、新しいアイディアが浮かびます。
・・・・おいしいパンを作るのに、顔が怖いためになかなか売れないゴリラのパン屋さんが試行錯誤するお話です。
登場人物は他に、いばりんぼうのきつね。うさぎの子供たちが出てきます。
ゴリラのパンやさんの対象年齢
3歳から6歳くらい。
子供が登場人物の中心的な役割を担っているので、聞いている子供も自分自身に投影しながら話の中に入っていけると感じました。
ゴリラのパンやさんの読み聞かせ
内容は濃いのですが、テンポよく場面展開が繰り広げられるので、読み聞かせにはピッタリな絵本です。
ゴリラの声の大きさやトーンを、読み聞かせで意識的に変化させると、子供は驚きや悲しみをはっきりと感じているようでした。
まとめ
ゴリラのパンやさん(こどものくに傑作絵本)
白井三香子・作、渡辺あきお・イラスト
金の星社
作者の「心の目」をなくさないで、のメッセージが印象に残る絵本です。
子どもは持っている心の目。大人は見た目や先入観で判断しがちです。
もちろん、この絵本にも「心の目」を持った子供たちが登場します。ゴリラのパン屋さんは大丈夫ですよ!