どうぞのいす。
香山美子・作、柿本幸造・絵、椅子に座ったうさぎさんが表紙のピンクに縁どられた可愛い絵本です。
私がこの本を知ったきっかけは、娘が年少の時に保育園で「どうぞのいす」の劇をしたことでした。
保育園、幼稚園ではとても人気の絵本で、どこの園にも置いてある一冊だと思います。
どうぞのいすについて深く知るきっかけになればと思い、あらすじや年齢など、内容をまとめました。
どうぞのいす あらすじ内容
『どうぞのいす』は、うさぎさんが椅子を作るところから始まる物語です。小さな椅子に一つの立て札。それを野原に置きます。
はじめにやってきたろばさん。その椅子を見て、どうするでしょう。
「どうぞのいす」と書いてある立て札を見て、休憩することにしました。しかし、ロバさんが座るには小さな椅子。拾ったどんぐりを椅子に置き、木陰でお昼寝。
次にやってきたくまさん。「どうぞのいす」と書いてある立て札と椅子に置かれたどんぐり。
それを見たくまさんは「どうぞ」だと勘違いしてどんぐりを全部食べてしまいます。
空っぽになったかごを見て、くまさんが起こした行動は?
くまさんの後にも、次々にやってくる動物たち。「どうぞのいす」を見て、どうするのでしょう。
そして、お昼寝から覚めたロバさんが、最後に言った一言にもクスリと笑える可愛いお話です。
どうぞのいすの対象年齢は?
『どうぞのいす』は、小さなお子さんから楽しめる内容です。
色んな動物と絵本の大半を占める大きな絵、同じフレーズの繰り返しが多い本ですのでテンポも良く1歳の子にも楽しめます。
内容の理解を求めるのなら、「どうぞ」が分かるようになる2歳以降がおすすめです。
小学生には少し物足りなさもあるかも知れませんが、幼稚園児までは内容の理解もできるようになり物語としても楽しめるでしょう。
文字も平仮名で書かれてあり、似たフレーズが何度も登場するため、ひらがなを覚えたての子供が初めて一人で読む絵本としてもそう難しくは無く、おすすめできます。
どうぞのいすの感想・絵本が伝えたいこと
みんなが使えるように「どうぞ」と書いた椅子。うさぎさんの優しさから始まる絵本は、最後まで優しさが溢れる絵本です。
ろばさんが置いたどんぐりを「どうぞ」だと勘違いをしてしまい、すべて食べてしまったクマさん。
しかし、空っぽにしてしまっては後の人にお気の毒だと、自分のはちみつを「どうぞ」します。
「どうぞ」のハチミツを食べてしまったキツネさんも、後の人のために自分のパンを「どうぞ」します。
そうやって、動物たちは後の人のために自分のものを「どうぞ」していくのです。
次に来た人の事を考える事。そして、他者のために自分のものを「どうぞ」と差し出す優しさ。
小さい子供には、少し難しいことかもしれません。
しかし、動物達がそうすることで、お子さん自身も「どうぞ」することを学ぶキッカケになるかもしれませんね。
まとめ
ご兄弟がいるお子さんをお持ちのお母さんお父さん。お兄ちゃんの分のおやつを食べてしまった弟くんは、自分のおやつをお兄ちゃんに「どうぞ」できますか?
「はい」とお答えいただける方はそう多くはないかと思います。それでいいんです。当然のことだと思います。しかし、いつまで経ってもそれではいけませんよね。
譲るということは、簡単で、難しい事です。
この絵本では他者のために「どうぞ」すること、「どうぞ」されると嬉しい気持ち、両方を学べる絵本だと思います。
お友達ができる年齢になるころまでには「どうぞ」できるようになり、お友達と仲良くできるようになると良いですね。
順番が守れなかったり、お友達や兄弟にオモチャを貸してあげれないことを悩まれているお母さんお父さんには、ぜひ絵本を通して「どうぞ」の大切さを教えてあげてはいかがでしょうか。